住宅ローンの仮審査が通過しない。その理由と見直すべきところとは?

住宅ローンの仮審査が通過しない。その理由と見直すべきところとは?

「なんで私だけ住宅ローンの仮審査に通過しないの?」

何度も仮審査に落ちると、自信を無くしてしまいますよね。
仮審査に通らない理由はたくさんありますが、それを知れば何を改善すべきかも分かってきます。

また、仮審査に落ちるということの意味を知ることもとても大事です。
今回は仮審査通過しない理由とその意味を考えてみましょう。

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住宅ローンの仮審査に通過しない理由は?

住宅ローンの仮審査に通過しない理由はいくつかありますが代表的な理由を挙げてみます。

  1. 収入
  2. 勤め先、雇用形態
  3. 勤続年数
  4. 健康状態
  5. 物件
  6. 過去のローン

これらに問題があると仮審査に通過しない可能性があります。
もう少し詳しくお話します。

#1. 収入の問題

収入の問題とは、単純に借入希望額が年収に見合っていないということです。

銀行は、年収ごとで借入額に上限を設けています。
これを「返済比率」と言いますが、返済比率を超えた借入希望額を提示すると、返済能力が無いとみなされ審査に通らないことになります。

#2. 勤め先、勤務形態の問題

あなたが務めている会社の信用度や勤務形態も重要です。

信用度とは、簡単に言うと倒産のリスクです。
倒産の可能性が低い会社なら、突然、職を失って返済不能になるリスクは少なくなりますよね。

正社員は有利なのか?

また、勤務形態も審査の対象になることがあります。
契約社員や派遣社員など、突然、仕事が無くなる可能性がある勤務形態だと、返済できなくなるリスクがあるからです。

やはり、正社員が一番信用度が強いということになります。
差別に感じるかもしれませんが、貸し手としてもリスクは極力少なくしたいと考えるはずです。
雇用形態による違いはあり得ると理解しておくべきです。

#3. 勤続年数の問題

勤続年数も審査の対象になります。
勤続1年〜3年以上という銀行が多いようです。
転職をしたばかりだと、またすぐに転職をする心配があるということでしょうか。

家を買う予定があるなら、転職を控える、または家を買う時期をズラすという選択をした方がよいでしょう。

自営業なら事業継続年数が大事!

自営業も継続年数が重要になります。
収入がサラリーマンほど安定していない自営業は信用度が低くなります。
事業の継続年数は信頼面からとても大事です。

#4. 健康状態の問題

住宅ローンの借入を行うには、ほとんどの場合、団体信用生命保険に加入が前提です。
健康状態に問題があると、団体信用生命保険に加入することができない可能性が出てくるので、仮審査も通過しにくくなる可能性があります。

#5. 過去のローンの問題

過去に何かしらのローンがあり、それらの返済で滞納などのトラブルがたくさんあると借入は難しくなります。
返済がちゃんとできない人とみなされるということです。

#6. 物件の問題

仮審査では物件も審査の対象になります。
価値に見合った価格しか借入はできないということです。

仮審査用時に査定依頼する物件は、あなたが購入したい家に値段も仕様も極力近いものにするようにしましょう。


このように住宅ローンの仮審査には多くの条件がありますが、全ての銀行がこの基準で審査をしているとは限りません。

先にも述べたように、審査基準は未公表のところも多いので、このような審査基準があるということだけ覚えておいてください。

住宅ローンの仮審査に通過の難易度はあるのか?

住宅ローンの仮審査の審査基準は銀行により違います。
では、仮審査に通過の難易度はあるのでしょうか?

結論から言うと、これはあると思います。
例えば、審査の早さ、金利の低さなどを売りにしているネット銀行は仮審査が厳しめです。

なぜネット銀行の仮審査は厳しい?

ネット銀行は、

  • 実店舗を持たない
  • 人員が少ない

という特徴があります。
これはの固定費を減らすことで低金利を実現しています。
仮審査を機械で審査をしている銀行もあるそうです。

時間や人をかけないことで低金利を実現しているので、基準に満たなければ有無を言わさず融資はしないということになります。

審査が通りやすいことの危険性

では、仮審査に通過しにくい銀行は良くないのかというとそうではありません。

銀行が融資をするということは、返してもらえる可能性が高いと判断してくれたことになります。
つまり、厳しい仮審査に通過したということは、あなたに十分な返済能力があると判断されたことになるのです。

つまり、仮審査が厳しい銀行で住宅ローンを組んだ方が、将来、返済不能になる可能性が低いと考えることもできます。

住宅ローンはいくらまで借りられる?

次に、住宅ローンの借入限度額を考えてみます。

借入可能額を把握すれば、無茶な希望借入額を提示することがなくなります。
これは結果として、仮審査を通過しやすくすることにつながります。

借入限度額は、以下の3つから判定します。

  1. 返済比率
  2. 建物の価値
  3. 審査金利

#1. 返済比率

借入可能額を調べるときは、返済比率が重要です。
返済比率とは、年収に対する返済額の比率で、フラット35だと年収400万円未満は年収の30%まで、それ以上は35%までとの明記があります。

仮にあなたの年収が360万円なら、返済比率は30%になります。

360万円 × 30% = 120万円
120万円 ÷ 12ヶ月 = 10万円

つまり、1ヶ月で10万円の支払いが限度になります。

返済比率は、ほとんどの銀行で公表されておらず、個々で違いがあります。
ただ、共通しているのは、審査をする年収は手取り額ではないということです。
ボーナスや交通費、社会保険料や年金などが引かれる前の金額で計算されます。

これが少し危険で、今ほど計算した30%の返済比率で毎月返済額を設定すると、毎月の生活がかなり苦しくなるので注意が必要です。
この話は以下の記事で詳しく書いています。

知らないと危険!住宅ローンの毎月返済額の決め方とは?

こちらもぜひ確認してください。

#2. 建物の価値

借入限度額は購入予定の物件でも変わります。

フラット35では、物件の価値の90%以内という基準があります。
民間の銀行はやはり個々で基準があり、それぞれに違いがあります。

仮に3000万円の物件を価値90%で計算すると

3000万円 × 90% = 2700万円

となり、この額を超えて借入することはできないということになります。
つまり、10%以上は最低でも頭金を用意しないといけないということです。

#3. 審査用金利

返済比率も物件の価値も大丈夫、だけど審査が通過しない。
なんてこともありますよね。

そんな時は、この審査用金利に理由があるかもしれません。

銀行が仮審査をするときの金利は、その時の金利ではないのです。
金利の上昇も見据え、さらに厳しい金利で計算されています。

それが何%なのかは公表はされていませんが、バブル期などに経験した高金利も考慮した値になっていると思われます。

審査用金利で借入額が大きく変わる

では、実際に借入限度額を計算してみます。

条件
年収 360万円
返済比率 30%
審査用金利 4%
借入期間 35年

審査用金利が4%の場合、35年返済で100万円あたりの毎月返済額を計算すると4427円になります。(※この計算は省略します)

上でも計算したように、年収360万円で返済比率30%だと月の支払額の上限は10万円です。
ここから利子を含めて毎月10万円の支払いになる借入限度額を計算してみます。

▼比率で計算▼

100万円 : 4427円 = x円 : 10万円

↑式の意味:月に4427円の支払いで100万円借りられるなら、10万円ならいくら借りられるか?

▼公式:内項の積と外項の積は等しい▼

4427円 × x円 = 100万円 × 10万円

▼更に式を変換▼

x円 = 100万円 × 10万円 ÷ 4427円

ここから x を計算すると、2258万円となります。

つまり、年収360万円では、2258万円を超える借入は難しいということです。

建物で2700万円、収入で2258万円が借入限度額です。
より厳しい方が採用されるので、2258万円が借入限度額となります。

自動車ローンなど、他にもローンを組んでいると、借入限度額は更に下がります。

仮に審査用金利が1.0%だったとして計算すると、借入限度額は、3543万円になります。

どうでしょうか?
あなたが仮審査に落ちた理由が少しづつ見えてきたのではないでしょうか?

仮審査が通らないならどうすればよい?

では、最後に仮審査に通らないならどうすれば良いのかを考えてみます。

  • 借入額を減らす
  • 銀行を選び直す
  • 物件を見直す
  • 収入合算をする

この4つが考えられます。

借入額を減らす

借入額を減らすには、物件の価格を安くする方法と頭金を増やす方法があります。

頭金を増やすには、貯金をしたり、親から贈与をしてもらう方法もあります。

住宅購入に関する贈与は、贈与税の控除があるので、ご両親に多額の相続遺産があるなら有効に活用するべきです。

銀行を選び直す

もしあなたが借入を希望する銀行の仮審査に雇用形態が関わっているのなら、勤務形態に制限が無い銀行を選ぶのも1つの手です。

物件を見直す

自分の収入に見合わない高額の物件を買おうとしていませんか?

家の値段は同じ市内でも住む地域によって大きく変わることもあります。
住む地域を見直して、今よりも値段の低い家を探すのは良い手段だと思います。

ただ、1つ注意として、安くても質が低い建売住宅を選んだり、災害に弱い地域や地盤改良に多額の値段が必要になるような土地を選んでは本末転倒な結果になってしまうので注意が必要です。

収入合算をする

収入がある親族と同居の予定があるなら、配偶者、または親族の一人と収入合算をするのも借入限度額を増やす1つの方法です。

ただ、収入合算できる額は、銀行により条件が違うので、借入を希望する銀行に条件を確認する必要があります。
また、収入合算をする人が働けなくなった場合、返済額の負担が増えて多くしまうので注意が必要です。

仮審査は試験ではない!家を買えるかどうか改めて考えてみてください!

あなたが仮審査に落ちてしまった理由が少しは解けたでしょうか?

私が思うに、仮審査に落ちることは悪いことではないと思います。
仮審査に通らないということは、

「そんな多額の住宅ローンでは返済できないでしょ!」

という金融機関からのメッセージです。
つまり、あなたは仮審査に落ちることで住宅ローン破産の危機から救ってもらったことになるのです。

家は買わなければいけないものではない!

この記事で、仮審査に通過するための方法をいくつか書いていますが、そこまでして家を買う必要があるのかもぜひ考えてみてください。

仮審査に通過しなければ家を買うのを諦めるという考えはとても大事だと思います。

家は見栄や理想のために買うものではありません。
あなたが穏やかに幸せな時間を過ごすための物です。

無理なローンをしてしまえば、どんなに良い家に住んでいても不幸になってしまいます。
そのことは忘れないでくださいね。

この記事があなたにとって良い選択をする助けになれば幸いです。

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